「嚥下食メニューコンテスト2017」決勝審査会を実施しました。
この度、「一般社団法人日本医療福祉セントラルキッチン協会」との共催により、「~地域の伝統食からオードブル・デザートまで~第5回『嚥下食メニューコンテスト2017』」を実施しました。 5回目となる今回も、昨年に続き一般料理部門、デザート部門、行事食部門の3部門に分けて応募を募り、全国からバラエティーに富んだ力作114件の応募が寄せられました。
早速、金谷審査委員長に8カテゴリー・30項目の評点による一次審査を実施いただき、決勝審査会に進出する各部門2作品と、それらと紙一重の内容の10作品を奨励賞、学生の応募者の中で最も優れていた1作品を審査員特別賞として選出。奨励賞及び審査員特別賞の受賞作品には表彰状を贈呈しました。
決勝審査会は、2017年9月13日(水)「フードシステムソリューション2017」(東京ビッグサイト 東1・2・3ホール)嚥下食メニューコンテスト特設会場で実施。厳正な書類審査によって選ばれた各部門2作品の1チーム2名、計6チームによる公開調理を行いました。
決勝審査会に先立ち、嚥下食・介護食総合情報サイト「嚥下食ドットコム」の監修・指導及び当コンテストの審査委員長である金谷栄養研究所 所長の金谷節子氏による基調講演「今年の応募作品の概況と嚥下食が支える超高齢社会」を実施。
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基調講演
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金谷 節子氏
その後、一般社団法人日本医療福祉セントラルキッチン協会の事務局長 宮野鼻治彦氏による主催者代表挨拶に続いて、金谷氏から当コンテストの審査の経緯と配点、応募作品の感想等を紹介し、12時から調理審査をスタートしました。
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宮野鼻 治彦氏
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金谷 節子氏
調理審査は、IHクッキングヒーターやスチームコンベクションオーブン、ブラストチラーなどの電化厨房機器で構成される厨房ステージで、決勝審査にノミネートされた各部門上位2チームが、順番に20分の時間内で調理を披露。まず初めに、一般料理部門の「外海の夏!!ド・ロさまそうめん」と「湘南ベジタブル★SOY麺」の2チームに、特設ステージで順次調理いただきました。途中、調理作業をモニターで中継しながら、金谷氏から各チームの作品と決勝審査進出のポイントを解説。続いて各チームにメニュー開発の経緯や特徴、調理のポイント等のインタビューを行いました。
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医療法人外海弘仁会 日浦病院
大井 ゆきこ氏・柴﨑 友希氏
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「外海の夏!!ド・ロさまそうめん」
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松林ケアセンター
宮城島 宏氏・平本 哲也氏
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「湘南ベジタブル★SOY麺」
規程の時間が経過し、一般調理部門の調理審査が終了。続いて、12時55分からはデザート部門にノミネートされた「バースデーケーキ ~ハピネス♪君が笑えば・・・~」と「シャインマスカットと清水白桃のシャルロット風~お誕生日に彩りを~」の2チームによる調理審査が順次スタートしました。両チームとも地域の特産品をふんだんに活用したケーキを嚥下食に展開したメニューで高い評価を獲得。フルーツやスポンジなど摂食・嚥下困難者にとっては危険性の高い食材や素材を飲み込みやすくするための工夫とアイデアに加えて、誕生日などの記念日に、患者さんに喜んでもらいたいという強い想いが込められた見ごたえのある調理プレゼンになりました。
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公立甲賀病院
福田 康宏氏・中井 美加氏
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「バースデーケーキ
~ハピネス♪君が笑えば・・・~」
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社会医療法人清風会 日本原病院
末田 佳奈子氏・中田 富美氏
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「シャインマスカットと清水白桃のシャルロット風~お誕生日に彩りを~」
続いて、伊那食品工業株式会社による協賛企業プレゼンタイムの後、「北の大地は無限大!!帆立を使ったクネル風 富良野産トマトのムースを添えて」と「海老とホタテのテリーヌ(クリスマス用)」による行事食部門の調理審査を順番に実施。双方ともフランス料理の技法を取り入れたメニューでの挑戦となり、食欲をそそる色彩豊かな美しい盛付けと栄養価を高めるための工夫など、喫食者への想いと技術力の高さがにじみ出る調理となりました。出来上がった料理は、それぞれ審査員のテーブルに運ばれ、賞味審査が行われると同時に、ステージ前のテーブルにも展示。決勝審査終了後には聴講者の列ができ、美しく盛り付けられた各チームの嚥下食に、感嘆の声を挙げながら写真撮影が行なわれていました。
6作品とも素晴らしい出来栄えで甲乙つけがたく審査は難航を極めましたが、3名の審査員が自身の専門分野である項目に対する評点を報告し、慎重に協議・調整を行い、審査を終了しました。
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特別養護老人ホームモエレの里
(ディカス株式会社)
小林 利幸氏・加徳 良太氏
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「北の大地は無限大!!帆立を使ったクネル風
富良野産トマトのムースを添えて」
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愛知県がんセンター中央病院
滝澤 幸二氏・原 邦彦氏
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「海老とホタテのテリーヌ(クリスマス用)」
審査時間を利用して、会場内では15時10分から昨年度のグランプリ受賞者である医療法人協愛会阿知須共立病院 栄養科長の片山さつきさんを講師に迎え、「患者様の笑顔を引き出す嚥下食づくり」をテーマに、記念セミナーを行いました。阿知須共立病院で嚥下食づくりに一丸となって取り組んでこられた講師が、患者さまに美味しい嚥下食を提供するための課題やポイントを、ご自身の経験を振り返りながら分かりやすく解説してくださいました。
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記念セミナー風景
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片山 さつき氏
最後に、審査結果発表と表彰式が行われ、部門大賞、最優秀グランプリの順に発表されました。最優秀グランプリに輝いた日本原病院を筆頭に、各チームに表彰状と楯、賞金が手渡された後、片岡氏、前田氏、金谷氏の順に審査員講評が行われ、決勝審査会はつつがなく終了しました。
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審査結果発表
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表彰状授与
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賞金授与
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表彰楯授与
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片岡 護氏講評
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前田 広士氏講評
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金谷 節子氏講評
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集合写真
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最優秀グランプリ 日本原病院 様
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料理展示
今回は、告知から応募締切りまでの期間が例年よりも短く応募の動向が心配されましたが、アイデアと工夫がちりばめられたハイレベルな作品を多数応募いただくことができ、トレハや寒天などを効果的に使用することで画期的な成果を生み出したレシピや新しい調理技法なども取り入れられるなど、たくさんの知見や技術の発信の場とすることができました。 最後になりましたが、当コンテストにご応募くださった多くの皆様、運営をサポートしてくださいましたスタッフの方々、協力・後援・協賛いただきました企業等、関係各位にあたたかいご理解とご協力をいただき、「地域の伝統食でつくる 嚥下食メニューコンテスト2017」の運営を無事に終了できましたことに心から感謝を申し上げます。