嚥下食は、摂食・嚥下障がい者を対象とする、物性や食形態を重視した食事の総称で、摂食・嚥下機能の評価レベルに対応する嚥下訓練食、嚥下食、介護食の3つで構成されます。
これらを段階的に使用することで、機能回復のためのリハビリテーションが可能になります。また、口から食べることで人間としての品位と尊厳を回復させる原動力になる食事でもあります。
最近では、すべての食事を普通食から嚥下食までの6段階に分類する「嚥下食ピラミッド」の概念にもとづいて、各段階ごとの食物の物性条件を基準化し、安全性と品質の確保を図る取り組みが全国に広がってきました。
それによって、病院、介護施設、住宅のどこにいる時も、1人ひとりの摂食・嚥下機能レベルに応じた適切な食事を取ることができ、誤嚥の防止や栄養状態の改善など、さまざまな効果がもたらされつつあります。