3.二次汚染後の菌の動態について
検査食品
だし巻き卵100g(卵2個、だし汁10ml、砂糖10g、サラダ油1g)
検査方法
一般食とキザミ食に大腸菌を接種し、0〜8時間後の増殖状態を検査した。
使用培地
●(標準寒天培地)
結果及び考察
一般食とキザミ食を比較してみた結果、菌を接種後、3時間までは同等な増殖度合いを見せていたが4時間以降は徐々にキザミ食に接触した菌の増殖が盛んになり、8時間後まで続いた。これらの結果から3時間以降は一般食よりキザミ食の方が菌の増殖スピードが速いことが解った。
まとめ
現場のキザミ食についてはキザミ操作を行うことにより二次汚染を受けていることが解った。キザミ操作は加熱調理にて殺菌された食品を再汚染してしまう可能性が高く、マニュアルに従って衛生的な調理を行っても、キザミ操作が不衛生な場合は安全な食事の提供は出来にくいと考えられる。また、キザミ操作は一般の調理カットと比較して菌の汚染率が約3.6倍も高く、衛生的な器具や環境下での操作が必要であることが解った。そして、キザミ食に菌が混入した場合、一般食より増殖度合いが高い結果となったが3時間以内はほとんど一般食と変わらない為、特に問題ではないと考える。* 最後にキザミ食の主な利用者は高齢の易感染者であることが多く、加熱調理後のキザミ操作には特に衛生的な注意が必要であることが推察された。