平成30年度「嚥下食・介護食セミナー(in大阪)」を
大阪ガスハグミュージアムで開催しました。
「嚥下食ドットコム」と「一般社団法人日本医療福祉セントラルキッチン協会」の共催による「嚥下食・介護食セミナーin大阪」を大阪市西区の「大阪ガスハグミュージアム ハグホール」で開催しました。セミナーは、“高齢者に喜ばれる安全でおいしい嚥下食・介護食づくりの入門講座”をタイトルに半日間のカリキュラムで構成。都合により当日欠席された方を除く、43名の皆さまに参加いただきました。
セミナーは、定刻の13時にスタート。事務局からのオリエンテーションを経て、金谷栄養研究所 所長の金谷節子氏による基調講演が行われました。金谷氏は、「嚥下食・介護食づくりで今求められること」をテーマに、人手不足などの厳しい条件下で美味しい嚥下食・介護食を提供するために必要な基礎知識や最新の学術研究成果、トレンド情報などをデータや写真を示しながら具体的に紹介くださいました。受講者の皆さまは、最先端のノウハウが盛り込まれた密度の濃いお話しに、熱心に聞き入っていらっしゃいました。
続いて13時35分からは、「嚥下食ピラミッド・嚥下調整食2013の物性基準の理解」をテーマに、嚥下のメカニズムや各基準について比較・解説しながら、実際に金谷先生が作られた黒糖ゼリーやメーカーの既製品を食べ比べることで、基準レベルごとの物性の違いを体験・理解していただきました
セミナー開始
金谷 節子氏
試食体験風景
約15分の休憩を挟んで14時15分からは、「第4回 嚥下食メニューコンテスト2016」で部門大賞を受賞された「介護老人保健施設 茶山のさと」の調理師 辻秀治氏による「嚥下食づくりへの取り組みと調理のポイント」をテーマとする講演と調理紹介を行いました。辻氏は、ミキサー食を改善することから始まった「茶山のさと」における嚥下食導入への取り組み過程や嚥下食をおいしく作る為のポイントを、具体的に分かりやすく紹介。調理紹介では、かぼちゃとにんじん、さといもの炊き合わせをスライドと実演を交えながら、丁寧に解説してくださいました。受講者の皆さまは、ひとつ一つの課題に向き合い試行錯誤しながらレベルアップを遂げてきた「茶山のさと」の取り組みや美しい料理写真に感銘を受けた様子で、時折メモをとりながら熱心に聞き入っていらっしゃいました。試食が配られると、美しく盛り付けられた野菜の彩りや食感・のどごしを確かめながら、美味しそうに召し上がっておられました。
2度目の休憩を挟んで、15時30分からは株式会社アトリエシステムコンサルティング代表取締役で凍結含浸法の認定講師 前田裕司氏による「“凍結含浸法”による美しく軟らかい介護食づくり」と題した特別講習を行いました。冒頭に、凍結含浸法で調理した試食をお配りし、実際に味わっていただきながら、凍結含浸法の概要や調理技法、重要な働きをする酵素、必要な機器・器具などを紹介。受講者の皆さまは、素材の見た目はそのままになめらかな食感を実現できる凍結含浸法に強いインパクトを感じられたようで、講師のお話に時折うなずきながら一生懸命耳を傾けていらっしゃいました。
講演&調理紹介
辻 秀治氏
調理紹介試食「炊き合わせ」
セミナーの最後には、協賛してくださった株式会社林原、伊那食品工業株式会社、マルハニチロ株式会社の商品紹介が行われ、全てのカリキュラムが終了となりました。
受講者の皆様に協力いただいたアンケートには、「嚥下ピラミッドの物性基準の体験ができたことは貴重な体験でした」、「見た目も良く、美味しいものを提供したいという思いがさらに強まりました」「初めて凍結含浸法を知り、是非取り入れていけるよう検討します」など、喜びと感激の声が多数寄せられました。
特別紹介
前田 裕司氏
協賛社展示風景
最後に、ご協力いただいた講師の方々やご協賛社をはじめとする関係者の皆さまに心から感謝申し上げます。
■開催概要
嚥下食・介護食セミナーin大阪
「高齢者に喜ばれる安全でおいしい嚥下食・介護食づくりの入門講座」
- 日時:平成30年5月17日(木) 13:00~17:00
- 会場:大阪ガス ハグミュージアム 5F業務用フロア(〒550-0023 大阪市千代崎3丁目南2番59号)